蔵内のご案内


酒の仕込みはまず酒母(もと とも呼びます)を造って、
2週間程度発酵させた後、
添え掛け、一日おいて仲掛け、留め掛けとスケールアップしていきます。
それぞれ麹米、掛け米、水を投入します(酒母は酵母、乳酸も)。
麹米はそれぞれで必要で、3日前より造り始めます。

酒造りのポイントはまず原料処理(洗米、浸積、蒸し)にあると思います。追って説明します。
洗米機 主に掛け米を洗います。 洗米機 主に麹米、吟醸用米、酒母用米を洗います 原料の米(玄米)を目的の%まで精米したものを白米と呼びます。
白米は一定期間以上(3週間から1ヶ月)寝かします、
これを枯らしと呼びます。
白米はまず
左の様な洗米機で洗います。
この洗米が不足すると糠分が残り後々
酒に粉っぽさがのこったり後味に影響を与えます。
その後米を水に一定時間浸けます、これを
浸積と呼びます。
浸積時間は米洗いの時間も含まれ米の種類や
精米率、水温でも違ってきます。
吟醸などでは15分間などとかなり短くなります。
浸積不足だと米の芯が残り(酒は芯の部分ほど大事),
浸積過多だともろみの段階で米が簡単に溶けて
発酵が早めに止まったりします。

                             


浸積が終わった米は一日おいてこしきとよばれる釜(右)に乗った円形のせいろに張り蒸しを始めます。
蒸しは小社ではむかしながらの
和釜(写真右中央)を使用しバーナー(写真右右奥の方)で炊き込みます。
外硬内軟の蒸し米をつくるのが理想なのですが、ポイントは蒸しの後半でどれだけ蒸気を昇温させるかです。(といっても上げればいいと言うものではありませんが)
ボイラーでは昇温装置をつけるとかしないとなかなか難しいのです。
和釜は中の水がだんだん蒸発して蒸気が直火当たる部分がおおきくなって自然に蒸気が昇温します。
蒸した米は
放冷機(写真右の右側)という外気を強制吸入して冷却する装置で目的の温度まで下げます(麹米、掛米の仕込みによってその温度は変わります)。
吟醸などは放冷機を使用しないで蒸し米を広げて自然冷却します。

麹枯らし部屋.入り口右が麹蓋です。

麹米はそれぞれの仕込み(酒母、添え、仲、留め掛け)の、3日前より造り始めます。
左の写真の部屋は
麹室(こうじむろ)と呼ばれ概ね30度の室温です。
左の写真の右側でまず蒸し米を引き込み
床もみとよばれる、
麹菌(もやし)をまんべんなく蒸し米に浸ける作業を行い布にくるみます。
約8時間後、また布を広げて蒸し米を解します
(切り返し)
翌日この米を
麹蓋(写真右の部屋奥に見える積んだ箱)と呼ばれる箱に移し盛ります(盛り)
そして米の温度の上昇とともに盛り具合を広げて行き
仲仕事、仕舞仕事と言う)翌日この部屋から出します(出麹と言う)。
出麹した麹は出麹室(写真右)にいれ乾燥しながら冷却し翌日仕込みに使用します。


 

仕込みは添え、仲、留めの3段階で麹、蒸し米、水を仕込みます。
添えと仲の間を一日あけここを
踊りと呼びます。
仕込みタンクは右写真の右側タンクなどです。
添えは添えおけと呼ばれる仕込みタンクの5分の1
ぐらいの大きさのタンクで酒母は8分の1ぐらいのタンクで仕込みます。
仕込み終わったものをもろみと呼びます。
留めの日を1日目として純米で約25日、吟醸で35日程度でできあがります。

 


出来上がったもろみを左の漕(ふねという)でしぼります。
酒袋と呼ばれる袋(スーパーの袋ぐらいの大きさの布袋。
その布のすきまから酒がしみ出る)にもろみを入れ水枕を重ねるように積んでいきます。
すべて積み終えたら漕の下の口(
漕口(ふなくち))から搾り始めない段階からお酒が出てきます。
これが
あらばしりです。(写真左)
小社ではこれをそのままの状態で瓶詰めしております。
あらばしりがだいたい出た段階で搾り始めます。
これを
なかだれと呼びます(写真右)。
搾りきった後だいぶ平らになった酒袋をさらに中に寄せ搾ります。
これを
せめといいます。

3台見えるのが冷蔵コンテナ。一台に一升瓶で3000本入ります。 タンク冷蔵貯蔵.巻かれている黒いベルトに冷水が流れます。
搾り終わった酒はおり引き(残った酒はおり酒。濁り酒の一種)
濾過、火入れ(瓶燗、タンク火入れがある。生はしない)をして上写真の様に冷蔵コンテナや
タンク(冷却する)で貯蔵します。タンク火入れのものは適当量瓶詰めしていきます。
当社では生酒直接瓶詰め後、瓶ごと火入れする
瓶燗(瓶火入れ)を増やしております。